時刻はAM4時半。
「おはよう」の第一声はTwitterにあげるタイプの人間です。
ベッドから超絶スローペースで起き上がり、前日に買っておいたおにぎりをもう嫌ってほどゆっくり頬張る。
別によく噛んで食べているわけではなく、単純に眠いだけなんだが。
世間では多くのサラリーマン達が労働の朝を迎えているのであろう。一週間の始まりの朝、厳しい朝だ。
そんな中、私は会社を休んで青森滞在3日目を迎えた。
自分に甘い。
わざわざ青森まで来たんだもの、しっかりと堪能しなきゃダメじゃない?
と自分に都合の良い解釈を産み出し、そして受け入れていく。
労働は罪なんだ。
青森、けっこう好きでこれまでも何度か走ってきた。
今回はどこを走ろうか?
とマップを見ながら考える。
弘前駅から自走でいろいろ走っても良いし、輪行してどこかスポット的に走ってもいいなー。
翌日は仕事だから新幹線が通る駅がゴールになるだろう。
そうなると、津軽半島がいいかもしれない!
以前、下北半島をぐるっと一周したことあるが、かなりハードなツーリングになった。
津軽半島はどうだろう?
海岸沿いがめちゃくちゃアップダウンしまくってたら?
補給スポットなかったら?
距離的に1日で走り切れる?
いろいろ不確定要素もあるが、まあその時はその時でしょ。
「ロードバイクで津軽半島一周ライド」
行きます!!!
旅たちの朝
自分調べだと、弘前から自走で走ると津軽半島を一周しようとするとさすがに1日じゃ間に合いそうにない。(貧脚ガチ勢)
ということで弘前駅から始発で輪行することに。
Suicaが使えないという罠。
ひさびさに磁気券なんて買ったぜ、、、
いい街だったなー弘前。
メジャーなお店はたいてい2km先にしかないんだけどその分レトロな街並みがあって。
飯もいちいち美味いし、今度来る時は弘前だけをゆっくり堪能するのもありだな。
車両独占中の図。
青森県民なら多くの家庭で車持ってるだろうし、わざわざ電車に乗る人も少ないのは頷ける。
特に意味はないんだけど、誰もいない公共施設ってなんだか無駄に写真撮りたくなりますよね。
さーて行きますかー!とボックス席にどかっと座り込む。
ロークエウォーターを飲んでこれからの旅に思いを馳せる。
5:40、定刻通りに電車が動き出し、13駅先にある「鳴沢駅」に私を運んでいく。
1時間ほど電車に揺られるわけだが、なにせ青森の端の方だけあって景色が基本変わらない。
窓を眺めていてもつまらないのでTwitterを眺める。
昔の旅人と遭遇したら罰当たりなんて言われそうだな。
そうこうするうちに、鳴沢駅に到着!
サンキューな、青と白のディーゼル車。
さて、ご覧の通りホームと自然以外に辺りにはマジで全然全く何にもない。
一応これでも海が近いはずなんだが、海要素皆無。
おまけに完全なる曇天。運量10。
せっかくの有給だというのに神様は私に微笑んではくれなかったみたい。
予想はしていたけど、やはり無人駅。
綺麗な駅舎だなー、と調べてみると2012年に改装したとのこと。7歳ってことかー。
自分が7歳の時なんてクソガキofクソガキだったのにこの駅舎は地域住民にとっては欠かせない存在なのよ。
対比がおかしい気もするけど立派なもんだー。
輪行解除してたらクワガタ出てきました。
こうやって外来種は増えていくんですね。
輪行解除!
津軽半島一周ライド、行ってきます!!!
津軽半島の日本海側、通称「メロンロード」を北上します。
地図を見ていただけるとわかる通り、海岸沿いに道がない。
海岸沿いは「津軽屏風山(ビョウブザン)砂丘地帯」と呼ばれ、南北約30km、東西3~5kmの砂丘地帯である。
砂丘といってもその昔、遡ること津軽藩四代藩主信教公の頃、
日本海からの潮風飛砂や岩木颪しを防ぐため松が植林されているので鳥取のようなTHE☆砂丘って感じではない。
Googleアースで見ると分かりやすい。
これは自転車じゃ走れないですね、はい。
砂丘ゆえの水捌けの良さを利用してこの地域一帯ではメロンやスイカが多く栽培されている。
「メロンロード」というのも愛称で、正式には屏風山広域農道を走ることになる。
駅を出てすぐの景色は田んぼ田んぼ田んぼの連続。
ご想像通り近くにコンビニはない。
補給食は少し離れたコンビニに買いに行くか、事前に用意しておこう。
しかし天気が悪い。
雲があんな下まで降りてきてるということは雨が振り始めるかも??
はい。がっつり降ってきました。
出発してから30分もせずに雨宿り。先が思いやられる、、、
予報じゃいつまでも降り続けてるみたいなのでレインウェアを来て再出発!
雨のツーリングなんて何年振りだろう笑
メロンロードを北上、十三湖を目指します。
畑以外になんもねえ。
ずーーーっとまっすぐな道。視界の両脇には畑と、
唯一の人工物。風力発電。
絶賛増設中。
まっすぐな道と、その左右に広がる畑。そして何度も出くわす沼。
沼がとにかく多い。何回沼を見ればいいんですか?砂丘要素どこですか?むしろ湿原じゃないですか?
しばらく走るとメロンとかスイカとかのミニビニールハウスが見られるようになった!
そのまんまっすね。うぃっす。
途中、平滝沼というところが岩木山を眺める絶好ポイントらしいので寄ってみることに。
ただでさえ何もない直線道路のさらに脇道に進む。
うはー沼だ沼だ。
見てくださいこの絶景!
岩木山が見えない方は心の目が曇ってますよー!?!?
はい。時間の無駄でした。なんも見えねえ。
しかしこのメロンロード、沼くらいしか立ち寄るところがない。
あたしゃーいつになったら文明に出会うことができるんだろうか?
【速報】この先信号機あり!!!!
20kmほど走ってついにこの日最初の信号機!
いやーテンションあがる!!!
たかが信号機!!!
されど信号機(!!!)
お天道様も私のテンションの上昇を感じたのか、雨足が急に強くなってきた。
こういう時だけシンクロしないで欲しい。最初から晴れにしておいてくれー!
雨のツーリングって走り始めだけは「あ、こういう雰囲気の中で走るのも悪くない」とか思っちゃうんですよ。
走り始めだけは。
でも結局走行中の後半は寒くなってくるし、サングラスの視界が奪われることにストレスかかるし、荷物も水没してくる。
一眼も雨の中で使うから心配だし。
特に怠いのは走行後の後始末。服濡れてるからそのままだと風邪ひいちゃうしお店にも入れない。
久しぶりの雨ツーリングでいろんな感情が湧き出てくるが、体は冷静に淡々とペダルを回していく。
そういえば観光もグルメも絶景も全然まったく何にも堪能してないぞ!
突然のもーもーさん。
そして突然なんかボロい神社キター!!
なんだここ!?!?
浜の明神「湊神社」とかいうところらしいが、事前リサーチでは全くヒットしなかったところ。
せっかくなので参拝していきましょうかね。
狛犬はわりと新しい。
それによく見たら小ちゃい狛犬踏んでる、、、かわいい、、、
こっちは鞠踏んでる。
鳥居の本体は古いけど、なんか近代的な傘被ってる。
ものすごくひん曲がった松。
なにか支えが欲しい、、、
階段を登った先に拝殿あり。
なんかすごく雰囲気はあるのに情報がなさすぎる。
もしかしてポテンシャル高い新しいスポット発見しちゃった!?
後日確認してみると、湊神社の創建が1676年で300年以上の歴史があるらしい。
それだけ歴史があるのになんでこんなにも情報量が少ないんだ??
謎の歴史ある神社に別れを告げ、津軽半島の北端に向けて走り出す。
地方の海沿いあるあるかもしれないが、やたらとダサい色使いをした家が立ち並ぶところってよく見るよね。
お昼〜昼昼〜♪
スタートの鳴沢駅からカーブがほとんどない直線を30kmほど走ったところで十三湖が見えてきた。
ここの十三湖は全国有数のしじみの名産地で、青森県の漁獲量は全国2位!
そんなしじみの名産地「十三湖」のほとりにあるラーメン和歌山という店がある。
ん?青森なのに和歌山!?と、最初に聞いた時には時空の歪みを感じた。
しかしラーメン和歌山、しじみラーメンの発祥の地とされており、観光雑誌に絶対に載るような青森を代表するラーメンの一つ。
これは寄らないわけにはいかなーーーい!!!
全身雨でびしょ濡れですが、和歌山に到着!
開店が10時なのだが、自分としてはそれに合わせて輪行の時間だったり走るペースを考えていたつもり。
結果的には少し早く着いてしまったがhahahahaha
雨の平日で開店1番乗りということもあり、店内には自分一人。
そして注文するのはもちろんしじみラーメン!
本日の絶景が到着。
ぶりぶりのしじみがたくさん入ってやがるぜ、、、
塩ラーメンに近い色合いだが、白濁している。
これは食べる前からうまいと思わざるを得ない!
まずは白濁したスープを一口。
おいしーーー!!!!!
出汁がすんごい。まじで半端なくしじみの出汁が効いてやがる。
細麺との相性もまた良くて箸が止まらないー!!
スープを邪魔しない完熟ゆで卵もまた美味。
完飲完食ごちそうさまでした!!
外に出ると雨がだいぶ弱まっていた。十三湖大橋を渡る。
日本海と河口が入り混じる。
橋を渡り終えると、いよいよ第二ステージの津軽半島北端部が始まる!
日本海キターーー!!!!!
これまでのメロンロードのような直線の快走路とは打って変わって、海沿いのアップダウンを含む国道339号線が待ち構える。
この国道339号線の、特に小泊から津軽半島最北端「龍飛岬」までの約20kmの区間は「竜泊ライン」と称され、
日本海と山岳風景が堪能できる人気ツーリングスポットだ。
なんとしても晴れてほしいところだが、、、
進行方向に怪しい白い影ありけり。
半島の上部はほとんど雲に覆われてしまっている、、、
しかしメロンロードとは打って変わって、すでにこの時点で絶景を目の前に足が止まる。
左に日本海、右に山岳風景。たーーまらんばい!
海岸線をさらに進むと、分岐点がある。
国道339号線はこの分岐点を右に進むのだが、この先にあるファミリーマートが最後の補給所となる。
強い意志をもって駆け寄るがいい。
俺たちの最後の希望だ。
ファミマで補給食をゲット!そしてついに竜泊ラインの標識が出現!テンションが上がらないわけがない!
しかもここにきてあれだけ降り続けていた雨も止んだではないか!
これはひょっとしたら…ひょっとするかも…!?
すごく政治的なメッセージを受け取った。
いざ、竜泊ラインへ!!!
つづく。