10月初旬。
夏は去り、木々は秋の訪れを迎える準備をしていた。
関東平地の紅葉の見頃は11月中旬頃だが、そんなに待っていられない。
標高が高くなれば一足先に紅葉シーズンを迎えることができる…。
なら、自分から秋を迎えに行こう。
乗鞍といえば舗装道路最高点2,702m、自転車乗りとしては一度は制覇したい山の聖地だ。そして立山は言わずもがな、紅葉の名所として有名な絶景スポットである。
乗鞍は昨年の夏に登った事があるから分かるが、立山は全く分からない。乗鞍と同様に規制がかかっていたらその時点でジ・エンドだ。
下調べをしてみると、やはり立山は交通の規制がかかっている。
なんでも、立山黒部アルペンルートはマイカーでの通行が禁止されており、富山方面から行くならケーブルカーで行くしかない模様。
そして到着地点によるが、そこから専用のバスが運営されているらしい。
秋の立山だもの、相当な混み具合になるに違いない、とケーブルカーの予約サイトを見てみると、朝一番の立山駅6時発の便がラスト1人分余っていた!
ありがとう神様、ありがとう1人旅。
さて、乗鞍はどうしようか(´^ω^`)
乗鞍も立山同様、マイカーでの通行が禁止されている。そして、ゲート式になっているためある程度逆算しないとタイミングが合わない。
ルート的には松本から登るの一択だろう。なにせ景色が最高だ。
ただし、あの手掘りトンネルだけは交通量の多い時間に走ったら死ぬ:;(∩︎´﹏`∩︎);:
そこで、終電で松本駅まで行き、そこから真夜中にゲート手前の乗鞍観光センターまで走り、時間が来たらエコーライン、スカイランと進み、高山駅まで自走。
そこから特急で富山駅まで行ったら仮眠を取り、立山駅まで自走。
6時発のケーブルカーで登り、紅葉・みくりが池を堪能した後、再び立山駅まで戻ってそこからは時間と体力次第で決めよう。
突然出てきた“みくりが池”だが、ここ富山は映画「おおかみこどもの雨と雪」の舞台で知られている。その作中のワンカットとして出ていたのがみくりが池だ。あわよくば花の家まで回れたら最高なんだが、時間と体力と相談しよう。
いかん、夢が詰まりすぎたツーリングになりそうだ’`,、(‘∀`) ‘`,、
夢とウェアを詰め込んでJR特急あずさで松本へ向かう。
なお、ここに至るまでに要した時間は半日だ。
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『まつもと〜、まつもと〜』
1年ぶりに聞くアナウンス。
時間で言えば3時間もあれば着いてしまうな…え?クソ早く着いちゃわない?それ…
山道もあるとはいえ、これはやってしまったかもしれない’`,、(‘∀`) ‘`,、
以前の記憶では、なかなか起伏の多い峠道だったと思ったが、今回改めて走ってみると大した道ではない。すんなりと進んでしまう。
それよりも怖いのがトンネルだ。あの路面の悪さと狭さ、交通量の多さは自転車乗りとしては厳しいものがある。
これですよ。
車1台通る分しかない。路側なんて20cm無いんじゃないか?
こんなトンネルが何度も続く。
この時間ならほとんど車も通らないから良かったが、昼間に走っていたらと思うと…戻るに戻れないし死ぬしかないな。
雲が流れている…!ここら一帯は山あり川ありダムあり、おまけにこの霧…。ダンジョン感満載だ。
このままいけば最高の天気が待っているかもしれんぞ。
北海道を旅していて思ったのが、『熊除けの鈴はただの御守り』である。
この日も鈴の効果虚しく…。
立ち止まるとその寒さを改めて感じる。時刻は午前3時過ぎ。
10月のゲート開通時間は午前7時だから、4時間近く待たなければならないらしい…気温は10℃を切っている。
自販機でホットドリンクを購入し、トイレに避難!
なんとここのトイレ、まさかの暖房がついているのだ’`,、(‘∀`) ‘`,、
する事もなく、ただトイレの鏡の前でぼへ〜っと過ごす。
駐車場で車中泊をしていた人達が続々と出てきた。
次々とケータイでシャッターを切っていたので何事かと思い山の方を見ると、朝日が山々を照らし始めていた。
ゼッケーかな!
雲ひとつない青空が広がっていて、山と空の境界線があんなにもくっきり分かれている。
木々は色づき、朝日によってさらにカラフルに…
美しい…これから“あそこ”を登ると思うとオラワクワクすっぞ!
この地点でもなかなかの標高らしい。
そして三本滝ゲート前へ到着。
そして定刻通りオープン!
木々の背丈が低くなり、空が広くなる。
“森林限界”だ。
つづく。