知らない天井だ。
ん…天井が…ある…?
あまりに快適すぎる朝を迎え、自分がいまどこにいるのか一瞬分からなくなっていた。
そう、釧路のビジネスホテルで一泊したんだ。
ビジネスホテルと言っても、通常提供していない「離れ」を一軒貸し切っているのだがねふふん。
急な階段をゆっくり降り、冷蔵庫に入れておいた朝ごはんをもしゃもしゃ食べる。
ふぅ……快適すぎる…。
この快適さに慣れてしまうのが逆に怖かった。
さて、北海道ツーリング6日目だ。
いい加減帰りの飛行機を予約しないとやばい(やばい)。
羽田に直接帰るなら新千歳に向かうのが1番楽だ。それに本数も多い。8日目に帰るから2日前にやっと予約する時点であまりに無計画すぎるな’`,、(‘∀`) ‘`,、
ということで、予約サイトを確認した私、咽び泣き。゚(゚^Д^゚)゚。
予約パンパンやんけ…。
この“飛行機”という予約システムがいまいち理解できていないのだが、格安航空というのは時間帯によって大きく値段が変わる。一方でJALとANAは基本的にどの時間帯でも均一の価格だが圧倒的に高い、という印象。
当然キャンプツーリングしてる時点でお察しだろうが、なにせ金がない。帰りの飛行機はとにかく安いほどいい。
とはいえ、流石に深夜便は色々と不都合ということでなるべく安くて帰りやすい時間帯を選択すると、ことごとく予約は埋まっている。むぅ…。
結局、朝9時前くらいの飛行機しか安めの便がなかったのでそれを予約。
さて、あとは帰り方だ。
海岸線をずーっと走り、襟裳岬→苫小牧→新千歳というのが理想だが、流石に距離がありすぎて間に合わない。
そこで、内陸方面に向かって帯広まで行き、そこから山脈を横断して新千歳まで向かう最短ルートで行くのが時間的にも距離的にも丁度いいだろう。
目的地さえ決まってしまえばあとは走るのみ!
撤退準備をチャチャっと済ませ、釧路の街に向かって自転車にまたがる。
この日は予報だと釧路は1日雨で、道央に行くほど天気は回復するとのこと。まぁ今までが晴天に恵まれすぎていた部分があるが、雨はだいぶダルい。
この展望台というのが思った以上に釧路中心地から離れていて、15kmほどだろうか?さすがに日程を別にしないと行けない曲者である。
さて、登りきった先に展望台があったのだが、てっきり見晴台みたいなのがあると思っていたらちゃんとした施設になっているらしい。そして例によって開業前である💢
タイミングの合わなさに自分でも引いてる((((;´・ω・`)))
とはいえ、朝ホテルでうだうだしていたおかげで15分ほど待つだけで時間が来た。
施設の中は釧路湿原がどうやって出来たのか、これまでどういった経緯で開発が進んでいったのか、どういった動物や樹木、季節の花があるのかを示す歴史資料館になっていた。
階段を登ると、展望台というのがこの施設の屋上に当たるらしい。
重めな赤い扉を開けると、そこは緑のパノラマが広がっていた。
釧路ぉぉおおおおおおおおおお💢
💢💢💢
💢💢💢
最後の最後まで釧路にはがっかりさせられた。
北海道ツーリング最後の海岸線だ。
釧路国道38号線で道央まで行く。
なるほど、たしかに予報通り道央に向かうほど天気が回復していく。恋問に着いた時には雨は止んでいた。
しかし田舎の遺伝子が疼くのか、どうにも雨が再度降る予感しかしなかった。
水溜りがあると悪気のないシャワーが突然降り注ぐから怖い’`,、(‘∀`) ‘`,、
降ったり止んだりを繰り返していたから結局レインコートは脱げず。
問題の雨だが、このくらいのパラパラとした程度であれば良いのだが、ゲリラ豪雨もあるから困る。
しかも山道に入ってる時にゲリラ豪雨に合うと、逃げようがないから土砂降りの中とにかく進むしかない。
この日1番の土砂降りに山道で遭遇してしまい、全て浸水しながら泣く泣く前に進む。
ようやくトイレがあったのでそこに避難!
完全に全て浸水した。
靴下までビショビショ、レインコートも浸水。寝袋やテントの入ったバッグもびっしょり。
しかし、さすが撥水加工のあるapiduraだ。あれだけの雨を受けても思った以上に浸水していない。軽い雨程度だったらビクともしないだろう。
ちょうど休憩していたトラックの運ちゃんに話を聞いてみると、あともう少しで雨雲もどこかへ行ってしまうとのこと。
さすがにこの雨の中進むわけにもいかず、待つこと30分。ようやく雨が止んだので自転車にまたがる。やれやれ、お尻が冷たいじゃないか’`,、(‘∀`) ‘`,、
電波ないし…。
朝一の釧路湿原のがっかりといい、途中のゲリラ豪雨といい、地味に疲れる所があった。
お昼は適当にコンビニで済まそうにも、その肝心なコンビニが全然ない。
山道を終えると、ようやく道の駅「うらほろ」を発見した。
北海道ツーリングで1番巻かれてるぅ。゚(゚^Д^゚)゚。
撤退準備をしていると久しぶりに「これいくらするのおじさん」に遭遇したので、サービス精神を込めて「ざっくり見積もって50万円くらいですかね(ニッコリ)」言っておきました。
都会の生活に慣れてしまったこの瞳には、あまりにのどか過ぎる。さて、帯広までもう少し。
帯広市内は建物も多く、とても活気のある街だ。帯広駅に近づくにつれてどんどん栄えていく。
そして、
いや〜疲れた!早く風呂に入りたい!
それにしても綺麗な駅だ。前日の釧路がいかにクソかって事が分かる。
さて、まずは飯だ!帯広と言えば“豚丼”が有名だろう。
え?豚丼を知らない?あの甘辛い、どこか鰻のタレに近いようなソースで豚を煮込んで丼にしたあの豚丼を?
帯広市内にはいくつか豚丼店があるが、人気店というのはいつだって3店舗ほとだ。(仙台の牛タン、宇都宮の餃子など)
そして例によって閉店が早い。
豚丼店の多くがすでに閉店時間を迎えていたが、“元祖”豚丼と呼ばれる「ぱんちょう」はまだ営業していたのでそこに向かう。
メニューは1種類、豚丼だけだ。値段は豚肉の枚数によって松・竹・梅に分かれる。
大変な混み具合でどこもかしこも相席になっている中、一眼で何枚も写真を撮るのは気が引けたがどうせ二度と会わないので気にしない()
そして頼んだのがこちら。
一瞬で平らげてしまった’`,、(‘∀`) ‘`,、
お腹も満たしたところで、次は温泉とコインランドリー探しだ。コインランドリーはとりあえず温泉に向かう途中に見つかればいいやくらいのスタンス。なにせ帯広だもの、釧路とは違う( ˘ω˘ ) スヤァ…
肝心の温泉だが、さすがに駅近にはない。ビジネスホテルには大浴場があるので、日帰り温泉という形でパパッと風呂に入ってしまおう。なにせ1日中雨に打たれたから早く綺麗にしたい。
ところがこのビジネスホテルというのは日帰り温泉をやっていない。笑顔で断られ、夜の帯広に再び戻る←
市境に深夜までやってる温泉があったので、そこに行くことにしよう。それにこの日もテントを設営できる場所がまだ決まってない。隣町に道の駅があるから温泉行った後にそこへ向かうこととしよう。
そして走ること15分ほど、ようやく見えてきた。
しかも、すんばらしい事に向かいのスーパーにコインランドリーがある!!!
完璧だ…完璧過ぎる。
まず先にコインランドリーで浸水した服たちを全て洗濯だ!
相変わらず前の使用者の洗濯物が入っていたので殺意を込めてカゴに入れる。そして洗濯スタート!いや〜まさか向かい側にあるとは思わなかった。
無事に洗濯し終えたところで待望の温泉に。
1日中雨の中走り回った体に温泉は極楽過ぎる…。
ツーリング中の温泉だけは信じられるぜ。
例によって充電交渉も失敗し、泣く泣く有料で充電する事に。300円近く払って40%くらいしか回復しない💢
充電を待っている間に眠りに落ちてしまい、気がついたら閉店の曲が流れていた。
外はもう車の通りもなく、静かな夜を迎えていた。
隣町の音更町(おたふけ)に向かう。
田んぼ道を進んだ先にあるのが、道の駅「おとふけ」だ。
すでに車中泊の人たちで駐車場は満杯だ。
ここには屋根付きのスペースがあったので、久しぶりにテントを設営。
やはり自分だけの空間が確保されるという意味もあって、テントは良い。ビシネルホテルも良いが、テントはもっと良い。
絶対に買うべきだ。3万円のテントでも10回使えば実質3,000円で宿泊しているのと一緒だ。100回使えば実質無料だろう。減価償却というやつだ’`,、(‘∀`) ‘`,、
明日は北海道ツーリングラストランだ。
千歳までの山脈横断ツアー、どんな景色が待っているのだろう。
6日目(釧路市-帯広市)
走行距離148.85km
総距離795.17km