自転車レース初参加!!!『チャレンジヒルクライム岩木山2019』その1

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自転車に乗り始めて6年、日本全国たくさんの素晴らしい景色を見てきた。

自転車旅は窮屈な日常とのギャップを全身で感じることができる。
だんだんと遠くまで走れるようになったり、初めての土地を自分の足で走り回ることの楽しさは、
それを体験した人は誰しもが激しく頷くだろう。
「窮屈」と思っていた日本も、自分で視野を狭めていただけだった。

自転車旅は狭めていた視野を広げ、人生を豊にしてくれる    

これは紛れもない事実。
だが、6年という時間の中で、どうやら自分でも気づかないうちに視野を狭めていたらしい。
自転車の楽しみ方をツーリングだけに縛っていた。
ツーリング以外の楽しみ方もある。例えばそう、「自転車レース」だ。

自転車歴7年目にして、ついに自転車レースに初参加してきた。
私の「初めて」を捧げたレースは「チャレンジヒルクライム岩木山2019」。
青森県最高峰である岩木山を登る、ヒルクライムレースだ。

自転車レースには興味ないと思っていた自分が初めてのレース、しかもわざわざ青森という遠方のレースに参加したかというと、この記事がきっかけだった。

詳しくは記事を読んでもらうとして、私が参加したレースについて簡単にまとめよう。

レースの舞台となる津軽岩木スカイラインは自動車専用の有料道路であり、全長9.8km内に69ヶ所のカーブがある九十九折で有名な激坂峠だ。
数値で見ると平均勾配9.3%の急勾配、標高1,238mと青森県内で最も高い。
その難所を利用した自転車レースが、年に1度だけ開催される「チャレンジヒルクライム岩木山」であり、
レースに参戦することで初めてこの地を自転車で走ることができる。

数字だけでもワクワクするが、ぜひともこの地形を見て欲しい。

やべぇ道してやがる…!
走ってみたい。ただ純粋に。
年に1度というプレミアム感と、他の峠にない個性的な地理的特徴に惹かれ、その存在を知るなり迷わず申し込んでしまった。

令和元年6月29日、前入りで青森へ向かう。
レース自体は翌日の30日だが、大会開始時間が早朝のため始発では間に合わない。
そのため岩木山に近くて大きな街、弘前で前泊だ。

新幹線に揺られることおよそ3時間、新青森駅に到着。
ここからさらに青森奥羽本線で30分ほど移動する。

ずいぶんビビットカラーな電車ですこと。

電車に乗り込み、言葉にならない違和感があった。

広告が…ない…!これが地方…!!!

車窓から見える景色もほぼ変わらず、木々か田んぼしかない。
たった数時間でこんなにも都内とは雰囲気が異なるとなんだか不思議な感覚になる。
駅についてもスマホの電波が3Gしか入らなかったりするし。

埼玉からおよそ3時間半ほど電車移動を続け、ようやく弘前駅に着弾!

さすがリンゴ王国、いきなりこんなのがお出迎えしてくれる。

駅近くのビジネスホテルにチェックイン。
レース出場者の多くが弘前駅周辺で前泊するため、予約は早めにするのが吉。

受付の人にもらった「弘前タルトタタンガイドマップ」!
タルトタタンってアップルパイとは違うんですね。

意外と手頃なお値段。
時間もあるし近場をいくつか回ってみますか。

弘前観光コンベンション協会|タルトタタンガイドマップ
ティーラウンジ「オークレール」

アートホテル弘前シティのロビーに隣接するティーラウンジ。
ここで提供されるタルトタタンがこちら。

リンゴでっか!!!

リンゴの形がそのまま残ってるやがる、、でも驚くほど柔らかい、、
甘さと酸味のバランスも絶妙だし、添えてあるバニラアイスで口の中がスッキリとリセットされるから無限に食べ続けられそう。

秒でペロリでした。

次!(まだ食べる)

茶房CoCo

こちらも同じく弘前駅から徒歩圏内にある喫茶店だ。
通りに面してるけど、入り口は奥の方にあるのでちょっとわかりにくい。
茶房CoCoで頂けるタルトタタンの形状は「円筒状」とのことで、めちゃくちゃ気になるところ。

いざ、尋常に!

売り切れ…だと…

なるほどこういう事もあるのか。青森のリンゴを堪能できるのは5月までと✍️

そんなかんなで大会前夜を迎えた。
この日はRoadQuestユーザーが集まるいわゆるロークエオフに参加!
場所は「旬鮮肴・旬菜処なじみ」という地元ならではの料理が楽しめる居酒屋。
津軽三味線の演奏もあったりして観光客にはうってつけの場所じゃないか!

地元の人はもちろん、遠方からの参加者もいて楽しい時間でした。
さらに出てくる料理の美味しさたるや、、大会前夜にかかわらずついついお酒を飲んでしまった、、
特に美味しかったのが「嶽きみの天ぷら」。

まず読み方だが、「嶽(だけ)きみ」らしい。
嶽きみとは、弘前市のブランドとうもろこしで他のとうもろこしと違って際立つのはその甘さ。
糖度でいったらメロン並みにあるらしい。
天ぷらにすることでさらに甘さが際立ち、塩と一緒に食べることで絶妙な味わいになる。
今まで食べてきたとうもろこしで一番旨いと思った。

美味しい料理と同じ趣味を持つ人が集まると体感5秒でお開きの時間になってしまう。
オフ会終了後は翌日に向けてしっかりと体力をつけるため(?)、地元ラーメン店「蘭華亭」にピットイン!

御当地ラーメン「津軽ラーメン」いただきます!!!
別名、煮干しラーメンとだけあって、さっぱりとした味わいの中に広がる魚介の旨味、、、
青森は飯がうまいのお!これは太るぞ!!

お腹もたまったところで満を辞して静かなホテルに戻りオフトゥンにダイブ。
いよいよ明日か…。

大会当日

■AM4:00

アラームの音が鳴り響く。
体の調子が上がらないまま買っておいたお握りをmgmg。
そうこうするうちに気づけば5時を過ぎ、いい加減に出発しないとやばい!

初めてのサイクルウェアで着方が分からない笑
ビブってインナーの上から袖通せばいいんすかね?

天気は生憎の曇り空。昨日夕方に降った雨の後が若干残る。

岩木山まで10km。
自転車を乗せた車がどんどん先に進む中、ウォーミングアップも兼ねてしっかり自走で受付に向かいます。

この時間なら普通に走れば受付には問題なく間に合う、と思っていたが、だんだんとお腹が痛くなってきて途中公園のトイレにピットイン…。

落ち着いたと思って走り始めると再びの腹痛…。

結局途中で3回もトイレに立ち寄ってしまったため、レース前に割としっかり目のペースで移動することに。急げ!!!

目線の先に岩木山らしきものの存在がある。

ガスってて何も見えんぞ…

なに普通に戯れてんねんそこの猿!!

とゆうことでなんとか会場に到着。

受付締め切りの10分前になんとか完了!
後で話を聞くと、前日受付なるものが存在するらしく、ちゃんとやっておけば良かったと今更ながら後悔、、、

下山用荷物を山頂まで持って行ってくれるサービスがありがたい。
レース参加前に「ゴール地点の気温は10℃くらいだから防寒着を持って行ったほうがいい」と聞いていたので、
「ふむ、そうなるとapiduraのサドルバッグが必要だな。しかし、タイムを競うのに重装備が必要だなんてさすがヒルクライムレースだ」、などと素人考えを致していた。

もちろんそんなバカなことは実際にはなく、レース前に荷物を預けておけば運営車でゴール地点まで運んでくれるのだ。

参加者が続々とウォーミングアップから帰ってきてきた。
自分は道中がそれに当たると思ってきたけど、いざ目の前でちゃんとやってる人を見るとちょっと慌てる。

というか自分がゼッケンを着けていないことに直前で気づいたことの方が焦る。
みんなはちゃんと前日のうちにウェアに付けておこうな!

車体関係

・フレーム |CANNONDALE CAAD10
・コンポ  |SIMANO 105
・ホイール |SIMANO WH-RS11
・タイヤ  |パナレーサー RACE D EVO3 クリンチャー
・ボトル  |中身は水

完成車として購入し、変わったのはタイヤくらい。しかもパンクしにくいタイプ。
ホイールについては「鉄ゲタ」とバカにされたり、、、

身に着ける系

・ウェア   |dhb-Blok 半袖ジャージ
・ビブ    |dhb-Blok ビブショーツ
・シューズ  |SPECIALIZED COMP MTB SHOE
・ヘルメット |Kabuto REGAS-2
・アイウェア |Rapha PRO TEAM FLYWEIGHT GLASSES

このタイミングでビンディングシューズを初購入!

レースよりツーリングがメインなのでSPDを選択したものの出発する時が初装着で、無事に玄関から5mで立ちゴケしました。
足が固定されてるの忘れがちなので皆さんはちゃんと慣れてからレースに出ましょう()

スタート地点に向かうようアナウンスがなされた。
チャレンジヒルクライム岩木山のエントリー種目は10kmコースと15kmコースの2種類あり、
平均勾配9%越えのコースをあえて長く走るだなんてそんなの無理ぃ、、とビビって私がエントリーしたのは10kmコース。

15kmコースは受付会場である岩木山総合公園からスタートするが、10kmコースはそこから5km先にある嶽温泉前がスタートとなる。

スタート前最後のトイレ、通称「決意のトイレ」(by 俺)を済まし、スタート地点に向かう。
うむ、朝は調子の悪いお腹だったが、いい調子だ!

天気の調子は!!!よくないぞ!!!!!

いやー、嫌な予感が的中してしまいましたね。
さすが梅雨時。というか年に一度しかないイベントをなぜこんな梅雨時にやるんだ、、、
楽しみにしていたからこそガッカリ感が否めないが、曇天だからといって69ヶ所のカーブの数が何個か減るわけでもない!
どんな天候だろうが自転車に乗って楽しんだもの勝ちだ!と自分に言い聞かせてみたり。

スタート地点までの5kmは地味な起伏があり、15km組はここを全力で走るのだからすごい。
道中は何を考えながら向かっていたのか全然覚えてない。
別に緊張しているわけではないけど、そういえば普段のツーリングだって頭の中は割と空っぽだったりする。

スタート地点にはすでに結構な人の数。
15km組が先にここの場所を通過するため、10km組は時間まで歩道で待機となる。
どこか空いてる場所は、、、と探してたら気づくと先頭まで来ちゃったりしてしまいましたー。
自分の脚力と相談した結果、いや相談するまでもなく最後尾まで後退。
俺にみんなを引っ張る脚なんてねえのさ、、、

最後尾、と言ってもその時点での最後尾であり、後ろから続々と選手が来たので結果的に全体集団の真ん中くらいになった。

「レース開始の30分前に飲むといいよー」と言われて買ったマグオン。
グレープフルーツ味は美味しいと聞いているが、こういう自転車乗り御用達の補給食は初めて食べるのでいかがなものか、、、

口を開けて押し出すと、中からトロトロの液体が出てくる。
それをそのまま口に流し込むと、、、あまーーーーーい!!!!

いやー、これめちゃくちゃ甘いですね。
体に必要な糖分がしっかりと吸収される予感がする。

 

しばらくの間は選手たちも自由にしていたが、15km組の先頭集団が来ているとアナウンスがされた。

先頭集団の速度が、、、速い!!!
バカな!これから登りだぞ!?死ぬ気か!?と疑いたくなるほどのペースで駆け抜けていく。

まったりモードの自分だったが、一気に心臓の鼓動が強くなるのを感じた。
あんなスピードで走れる自信もなく、なんだか急に場違いなところに来てしまった感が出てきた。

定刻となり、スタートラインに並ぶようアナウンスされる。
どうしよう、、まだ心の準備が、、、

!?!?!?

ガチャ○ンさんですよね!?!?

なんだか急に落ち着いてきた。
手のひらに3回人の字を書くより、ガチャ○ンのコスプレを見る方が緊張を落ち着かせるらしい。

そしていよいよその時が来ると、一気にアドレナリンがドバドバ出てきた。
なんだコレなんだこの感覚…めちゃくちゃテンション上がるぞ!これがレース…!!!

そしてスタートの合図と共に、周りから一斉に「カチッ」っとビンディングシューズ のはまる音が響き、
初めてのヒルクライムレーススタートです!

goproを取り付けた方があとで見返せるということが今になってわかり、Googleマップで臨場感を想像してください()。

スタートしてからしばらくは平坦な道が続き、ペースはそこまで早くなかったと思う。
というか、集団が大きくて固まって移動するしかない感じ。

ここのゲートを通ると山頂までひたすら上り坂が続く。
つまり、いよいよ本格的なヒルクライムレースが始まるということだ。

岩木山を見ながら登れる、、、はずだったが、あいにくの曇天。
しかし霧がなくなり、雲にも若干の切れ間が見えてきた。
これはもしかしたらもしかするかも!

勾配がグッとあがったためか、集団移動だった平坦と比べて明らかに速い人と遅い人との差が出てきた。
これから平均9%越えの坂を10kmも登るのだから序盤にどのペースで進むべきか全然わからん。ましてや初めてのレースだもの。
とはいえ、タイムを競うのだからある程度の無茶は必要。
ツーリング中に峠を越える際の疲労感+お気持ち程度のスピードで登っていく。

この料金所を超えたところからが九十九折のスタートとなる。
するとどうだろう。
雲の切れ間がどんどん広がっていき、気づけば青空に…!テンションが上がらない筈がない!

さすがに平均勾配9%ともなると、だいぶしんどい。息がドンドン上がっていくのがわかる。
ただその一方で、九十九折を一つ一つクリアしていくとどんどん空が青くなっていくのが目に見えた。
おいおいこのままじゃゴールする頃には快晴になるんじゃ?笑

レースに参加している人達が乗っている自転車も面白くて、ロードレーサーだけでなくMTBやファットバイクまで。
しかもめちゃくちゃ速いし、あとコスプレしてる人もチラホラ笑。
さっきのガチャ◯ンもなるほどコスプレという訳ですな。

いろんなカテゴリーの人、純粋にレースを楽しむ人、自己ベスト更新を狙う人。
いろんな人が集まるこの空気感はまさにお祭りのような雰囲気でした。わっしょい!

目まぐるしく流れる雲、目まぐるしく左右へと流れるカーブ、登るにつれて広がる大地、近づく空。
こんな雄大な自然を目の前にし、さらにはお祭りのような雰囲気も相まってテンション上がりっぱなしで登っていたが、
ラスト3kmで急激に失速、、なんか力が入らない、、追い抜いていった人達に逆に追い抜かれていく、、

前半飛ばしすぎたせいで完全に体力を奪い取られてしまった。
なったことないから分からないが、ハンガーノックの状態に近い?いやーしんどい!
と落ち込んでいると逆に周りのみんなが「頑張りましょう!!」と声をかけてくれた。
みんな優しい、、よーし頑張っちゃうぞー!

ラスト1kmを切ると、すでにゴールした人達がカーブに集まって
「ファイトー!」「もうちょい!」「ラストー!」と暖かい声をかけてくれ、
登るにつれてその歓声がどんどん大きくなる。
なんだよみんな優しすぎるだろ、、惚れる、、歓声に背中を押してもらい、69ヶ所目のカーブを曲がり、
ついにゴーーーーール!!!!✨

手元のサイコンでタイムは1時間8分。1時間切りたかったけど完走できたことをまずは喜ぼう!
登り終えた先の広場にいる人達に勝手に仲間意識を持ってしまったのは私だけだろうか…それくらい人の暖かさに包まれたレースでした。

気温は約13℃。東京はすでに30℃になる日もあるとか。
雲よりも高い、標高1,625mから走ってきた道を振り返ると、体力が残っていない体からドンドン達成感が込み上がってきた。
ここを登ってきたのか…平均勾配9%越えが10km続く道を…本当によくやったと思う。

初めてのレース完走に感動しつつ、次は逆に恩を渡しに行かなきゃ!と、
下山用荷物からウェアでぐるぐる巻きにされたミラーレス機を手に持ち、登ってきた道を引き返す。

レースの応援というのも初めてなのだが、これはこれで楽しいね笑

それにレース中にゆっくり眺められなかった絶景も!走ったからこそ、より実感できる標高の高さ!

大地がずーっと広がり、その奥に日本海まで見えるじゃないか!
この圧倒的な自然を眺めることができるのは完走者のみ…!最高な贅沢です!

本当に69ヶ所カーブあったんだなーと実感。

実はレース中に水分補給しようとした際にボトルを落として拾いに行った結果、
おそらくレース参観者の中で唯一70ヶ所のカーブを曲がった男になりました。

バナナも食べてエネルギーもしっかりと補給したぞ!
※一人でバナナの山を築いたわけではありません。

下山します!下山時は安全第一が大前提で、グループ毎に移動するみたい。
勾配がかなりあるし、カーブの連続だから気をつけて下山しような!

つづく。