小泊半島をスルーするように山道を進んでいく。
この山道を抜けるといよいよ竜泊ラインへの道が開ける。
山道抜けた!海が見える!(googleMAPで失礼)
前回の記事ではファミマが最後の補給所といったが、本当の最後の補給所は写真に見える道の駅「こどまり」となる。
googleMAP上ではめちゃくちゃ気持ちのいい晴れ間がのぞいておりますが、
実際には雨上がりの曇天となっております。とほほ。
なんかめちゃくちゃ保護されてる崖を発見。
集合体恐怖症の人にはちょっと刺激的な光景だろう。
かくいう私はというと、ワッフルを食べたくなりました()
そして日本海を一望できる道キターーーー!!!
これから向かう先が雲に覆われていて草。
嫌な予感しかしない。
この辺りから半島の端っこ感がグッと増してくる。
突然の大岩だったり、
突然の滝だったり。
この滝、どうやら海に直接流れていってるっぽいです。
メロンロードをひたすら無心になって走っていたことを忘れてしまうくらいに圧巻の景色の連続。
これだから海沿いを走るのはやめられない。
車の通りもほとんどなく、自転車が進む音と、雨が止んで歌い出した鳥たちの囀りだけが耳に残る。
(ピッチュン ピッチュン)
長閑だ、、、いよいよ果ての方まで来たんだと実感する。
荒々しい岩肌が突然現れたりするし、顔が4つくらい欲しい。
やれやれ先に進まないぜ。
美しい曲線…エッチだ。
いざ、竜泊ラインへ
海沿いの道もここで終わり。
ここから先はロケーションがガラっと変わり、
日本海の潮風を浴びながら山岳風景を堪能できるワインディングな九十九折が続く。
コーナーをクリアするごとに景色が変わるのでいつまでも楽しめる。
絵に描いたような美しいその景色は東北屈指の絶景ツーリングスポットと言われるが、果たして、、、
霧のせいで全然全く何にも見えませんでしたー!!!
区間は短いとはいえ、11%の勾配は足にくる、、、
なにも、、、なにも見えんぞ、、、
上も下も全部霧。見えない見えない!!!
どうした!?私の目がおかしいのか!?
もはや800ルーメンの光ですら霧の中に消えていく。
何も見えないのにどんどん体力が奪われる、、、ここは地獄か!?
そして体力だけしっかり削られて眺瞰台に到着。
ゼッケーダネ!!
たぶんこの位置からワインディンな道と海が一望できるはずなのだが、、、
まったく拝められません!!!
これが噂に聞く「キリタッピ」か、、、ハレタッピの時に来たかったぜちくしょう。
なにも眺めるものがないのでとっとと降ります!
といっても霧で前が見えないのでゆっくりと、、、
っとーー!?
サルに遭遇することもあるのねココ笑
ダウンヒルが終わると、いよいよ竜泊ラインの終点「龍飛岬」が近づいてくる。
この龍飛岬に向かうのに若干上り坂になってるのがまた腹立たしい。
龍飛岬の近くにある道の駅「みんまや」でちょっと休憩、、と思ったら、
そのすぐ向かい側に石碑があったのでついつい寄ってみた。
そしたらなんと石川さゆりの「津軽海峡冬景色」が刻まれているではないか!
見るからに「押してください」と主張しているこの赤いボタン、、、
まあ、、押しますよね笑
もちろん結果はお察しの通り。
ただし爆音です。
けっこう離れたところからでも音が聞こえるくらいに爆音です。
正直ビビりました笑
しっかりと津軽海峡冬景色を堪能し、いよいよ津軽半島最北端「龍飛岬」へ向かう。
駐車場にあるお土産屋さん。
寂れてる感じが逆に雰囲気があって良い。
端っこのシンボル、灯台。
一般公開はされていないっぽい。
津軽半島最北端からの景色は霧に覆われていました。
漁港。
龍飛岬灯台の横に階段があったので下りてみた。
といっても草ボーボーで途中で引き返したが。
うはーーーー
何もない。
晴れてたら北海道が見えるらしいが、本日は海と雲のみ。
竜泊ライン方面は相変わらず霧に覆われている。
こんなにも界面がくっきりしているなんてなんか凄い。
青森県、よくよく見ると津軽半島と下北半島のでかい半島が2つあるせいで海が複雑に分離してる。
ゆえに気候が変わりやすいんだろう、と自分に言い聞かせてみた。
霧で全然全く何にも見えないのでとっとと切り上げようかと思った矢先、
階段国道!?
まぎれもなく階段。
でもまぎれもなく国道。
ただ間違いなく車での走行は不可。なんなら自転車でも無理だろこれ。
すごい道もあるもんだ、、、マニアック国道とはまさにこの道のことだろう。
津軽半島後半へ
龍飛岬に別れを告げ、いよいよ津軽半島の残り半分へ!
この時点ですでに14時。
欲を言えば食事処「たっぴ」で海鮮料理を頂きたいところなんだが、、、
残り77km…
終電まで残り約5時間半、マップを見る限り起伏がありそうな予感。
本気で帰れなくなる可能性があるのでペース上げて新青森駅に向かって走ります!
終電を気にしながら走るツーリングとはいったい、、、
すごく独特なトンネルを潜る。
半分は手彫りみたいな風合いだ。
トンネルを抜けた先に現れた船屋。
こじんまりとした漁港に細長い船屋が集合していてとても印象的だった。
「三廏(ミンマヤ)漁港」にあたると思うのだが、Googleマップ上で名前はない。
津軽海峡を見ながらひたすら海岸沿いを走る。
この辺りは日本海側と違って漁業が栄えているのだろう。
道の脇には漁業やってそうな古い家が立ち並ぶ。
走っている最中は時間を気にしてどこにも寄らなかったが、有名な観光地として「義経寺」というところがある。
どうやら、ここ外ヶ浜町(旧三廏村)は源義経ゆかりの地として知られているらしい。
源義経というと鎌倉のイメージが勝手にあるので、まさか青森の、しかも津軽半島最北端の村でその名が出てくるとは思わなかった。
義経寺の説明文を見ると、
源義経は奥州平泉の衣川で自刃したといわれていますが、源頼朝に追われ、龍飛崎まで逃げて荒れ狂う海を前に観音像に祈ると、3頭の龍馬が現れ、海峡を渡ることができたという伝説が残る寺であります。
(参考:青森県観光情報サイト)
とのこと。
この伝説のことを「義経北行伝説」といって、その後に北海道、樺太、モンゴルへと移ってチンギス・ハーンになったとか。
いや、これ事前に教えておいて欲しかった。
完全にドスルーかまして先に進んじゃったやんけ。
まぁ終電がやばいので寄れないけども!
時刻は14時半、小泊ぶりのファミリーマット外ヶ浜町三厩店にて休憩。
カロリーの高いクロワッサンに糖質の塊をぶち込んだ悪魔の食べ物をモグモグ。
さて、けっこうなペースで進んでいるが終電が心配なのに変わりはない。
そこでルートを改めて確認する。
近道すれば確実に終電までに余裕ができる。ただ、半島を縦断するかのようなルートとなるので起伏が未知数だ。
一方で海沿いルートであれば本来の津軽半島一周ルートになるのだが、こちらも同様に起伏がわからん。
仮に下北半島のような状態だったら、、、確実に間に合わないな!
ただ、龍飛岬からの道のりはかなり平坦だったから、この先も平坦なままかもしれない。
ということで、海沿いルートを選択!
海沿いルートを選択…したんだよな?
海要素なくて草。
誤解を生まないように言っておくが、本当に海沿いルートを選択したんです。
どこか北海道らしさをのぞかせる、、、
何度も繰り返すが、海沿いなんですここ。
ほらぁ、言ったじゃないですか海沿いって!
曇天ながらに海の綺麗さがわかる。
この雲が晴れて時間に追われていなければもっと気持ちよかったんだろうに。
いや、この天気だからこそ飛ばしながら走り切ることができて結果オーライだったのかもしれない。
ちなみにここら辺にはチラホラ風力発電設備が立っており、風が強いことがうかがえる。
この日は幸いにも風はそこまで吹いておらず、いろいろと結果オーライが重なっているな。
ラッキーーーー!!!(強制的思考)
海沿いをしばらく走っていると、目線の先にスッと伸びた建物を発見。
遠くからでも視認できる建物、、、なんだあれ、、、ていうかデカくないか?
ていうかデカくないか!?
本州の果てに突然現れた周囲を圧倒するほどの巨大な人工物。
男の子心をくすぐりに来やがる、、
時は20XX年、人類の大半が滅亡し、当時の強固な人工物のみが残る世界——–。
みたいなSF感がピッタリだ。
ちなみにこの建物、「石崎無線中継所」と呼ばれる、北海道と本州を結ぶ通信拠点として建てられたそうな。
時は進み、通信手段の光ファイバー化によって2001年にその役目を終えている。
日本一巨大なコンクリート無線中継所として知る人ぞ知るスポット、らしい。
こういった自然の中に突如現れる巨大な人工物に何にも知らずに巡り会えるのが下調べをしないことのメリットだよなあ。
しかもそれが役目を終えた“跡”だと余計にグッとくる。
海沿いを走っているつもりだったんだが、気づいたら田んぼの中を走っていたりする。
なにがOh!だいばじゃ。やかましいわ。
遊び心をすぐに入れようとするんじゃない。公共の看板だぞ?
まあ自分はそういうの好きだけど、、(照
海沿いを離れたと思ったけど特に起伏もなく、ただただ単調な道をひたすら南下している印象。
起伏がないと言っても、この時点で時刻はすでに16時。
終電まで残り3時間半、このままのペースだと確実に間に合わないぞ?w
ペダルを回す足に力を込める。
ここからは、、、本気で間に合わせるモードじゃい!
海沿いに出てくると海がどんどん暗くなってきているのがわかる。
東北の夜は早い。曇天のせいで余計に暗くなるのが早く感じる。
急がねば!
漁港もできればゆっくりと眺めたかったが潔くスルーさせてもらいますよ!
というかさっきからブイがなげやりに放置されてるんだけど、漁業ってこんな感じなの?
これを海に放っては回収しての繰り返し、、肉体労働だな。
津軽半島の右端、、名前は知らないが、
丸屋形岳でボコっとした地域を抜けてからの海沿いは随分と単調だった。
外ヶ浜町辺りからはようやく街並みも現れてくる。
あ、そうそう、ここ外ヶ浜町からは陸奥湾を横断して下北半島に行けるフェリーが出ている。
青森の二つの半島を結ぶフェリーの名は「むつ湾フェリー」だ。
以前に下北半島を走ったことがあるが、とにかくこの地域はアクセスが悪い。
私は新青森駅から自走で下北半島をグルッと走ったが、
フェリー移動を工程に入れれば違った旅程で走れるだろうし、楽しみ方はいろいろだ!
(ただしフェリーの本数は3本しかないので有限だぜ!)
地図を見ていただくとわかるが、外ヶ浜町からは海沿いに電車が走っている。
なので最悪新青森駅まで時間的に辿り着く見通しが立たなければ途中で輪行するのもアリだ。
そういった安心感があるのは街に出てきたおかげなんだが、地方の3桁国道が通る街の中だ。
察しの良い方はお気づきだろう、そう。
街の中、走りづれえ!!!
路肩は狭いし地味に車の通りが多い、、、
なるべく海沿いを走っていたが、内陸側にバイパスがあるみたなのでそちらに変更!
なんて走りやすいんだ。
道が広い、、、快適すぎる、、、
バイパス周辺には農作物しかない。
広い国道で誘惑してくる景勝地もないとなると、あとはひたすら前に進むのみ!
17時半、ついに青森市に突入!
残すところざっと15kmだから18時半にはなんとか駅に着きそう!
終電1時間前とは、、我ながらだいぶ攻めたな笑
(今更)太陽が!!!遅えよもっと早く現れろ!!!
この直線の先に駅がある。この旅の終わりが待っている。
急いでいたものの、いざその時がくると思うとちょっと寂しくなる。
太陽が地平線に吸い込まれそう。
建物がないから東京で見る太陽よりもギリギリまで見ていられる。
そして駅周辺の見覚えのある道まで来た。
そうそう、新青森駅からスタートする時とは違って、いつもの方向とは反対方向に向かってるんだよな〜とちょっとした違和感を噛み締める。
ついに新青森駅。
いよいよグランドフィナーレだ。
振り返るとなかなかに濃い1日だった、、、
なんだか急にエモクなってきたぞ?泣きそうだぜチクショーめ!
津軽半島一周ライド、これにてゴール!
走行距離:147.51km
獲得標高:1,382m
正確には半周しかしてないが、なかなかに充実したライドだったぜ!
自転車の至る所が泥で汚れてる。
いやーほんとに濃い1日だった。
スタートして速攻で雨に降られ、止んだと思ったら肝心の竜泊ラインは霧で何も見えなかったし、
津軽半島後半は終電のことしか頭になくて前に進むことしか考えられなかったし。
いやーレース後なのによく頑張った。
自転車もこんな無茶苦茶な持ち主に付き合ってくれてありがたい。
泥で汚れてても最高にかっこいいぞお前は!
と愛車を愛でていると、遠くの方から自分の名を呼ぶ声が聞こえた。
空耳か?
こんなところに自分を呼ぶ人なんかいるはずが、、、
「おおぜきさ〜〜〜ん」
え?と振り向くと、
なんとチャレンジヒルクライム岩木山の前日にロークエオフでお会いしたみなとさん(@a_hgszn)がこちらに向かって走ってくるではないか!笑
まさか昨日の今日でさっそく再会するとは思わなかった。
「よく自分だって気付きましたね」
「いやー、そんな目立つ格好してれば嫌でも目につきますよ✌︎(‘ω’)✌︎」
自転車乗りは目立ったもん勝ちですね、はい。
仕事終わりに日課でやってるランニング中とのことだが、きっと私に会うために待ち構えてくれていたのだろうと記憶を書き換える。
美しい思い出だけあれば十分なのさ、、、
せっかくエンカウントしたんだし、ゆっくり飯でも食いながらお話したいところ。
しかし残念ながら終電がすぐそこまで迫ってきていることもあり、ここでお別れ。
ぜってーまだ“どこか”で会おうな!
(お土産買って輪行準備完了したところで早速再会した)
帰路へ。
東北新幹線「はやぶさ」にて東京へ向かう。
ドーン!野郎供!酒盛りじゃ!!!
ツーリング終わりのサッポロ黒ラベルは至高・・・!!
満足した、の一言に尽きる。
もちろん天気がもっと良ければ、と思うところだが、それを含めても満足したライドだった。
我々自転車乗りが人格を保つにはやはりツーリング後に満足することが必要なんだと思う。
今回のライドで青森の形がだいぶ浮かんできた。
全くの白紙部分、青森県東南部は白神山地か、、、
噂じゃかなりダートな道だと聞く。
ロードじゃ難しい、、、と思ったらロードで突っ込んでる人がフォロワーいて笑った。
次に来る時は沿岸部じゃなくて内陸部を走ってみるのも楽しそうだろうな〜
なんて思いながらビールをぐいっと飲み干す。
青森県、やっぱり好きだな〜。きっと再訪する。
そう確信しながら新幹線のシートで眠りについたのであった。
おしまい。