【下北半島一周】2日目 山あり海あり地獄あり(横浜町-脇野沢)

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ピピピピピピピピーーーーーーー
………ッ。
寝袋からモゾモゾと腕を出してアラームを止める。
むくり。
…知らない天井だ。
テントから顔を出すと思わずブルっとくる。

気温は12℃。
秋らしい東北の朝だ。
寝袋から出るとさすがに寒い。
ローソンで温まるものを買ってきてテントでmgmg。
朝ごはんは大事。
30km/h近いスピードを持続し続けるのは人間の足では無理だけど、人力でアレだけのハイペースを維持できる自転車はかなり効率がいい。
とはいえツーリングの場合は運動時間が長い分、消費するカロリーもそれ相応に高くなる。
だからしっかりと体を休めて、カロリーもしっかりと蓄えておく。快適なツーリングは走る前から始まってるんだ!
朝ごはんが済んだらもう一眠り…と怠けるハートに鞭を打ち、ババっとテントを撤収!
さすがに道の駅だからね。最近はマナーが悪い人が増えてるみたいだし。せめて日の出前にはテントだけでも片付けてしまわないと。
設営時よりも早くをモットーに。

そして日の出とともに出発!
いよいよ下北半島の本格的なツーリングだで!

朝靄で視界が柔らかい。
これだから秋は好きなんだ。
さて、この日のゴールは脇野沢という道の駅だ。
その途中にある恐山にまずは向かう。
“恐山”…恐ろしい所だ…。
名前くらいは聞いたことがある、が、どんな所なのだろう。

県道4号線である“恐山街道”を走り始めて程なく、山道に入る。
車通りはほぼなし。

なお、冬季は封鎖されている模様。
ゲートがあるとなんだか私ドキドキしちゃう( ^ω^ )

なかなかの峠道( ^ω^ )
10%前後の登り坂が断続的に現れる。
流石にキャンプツーリングスタイルでの登りはちとキビチイぞ’`,、(‘∀`) ‘`,、
“恐山は、カルデラ湖である宇曽利山湖(うそりさんこ)を囲む外輪山と、円錐形の火山との総称である[1]。最高峰は標高878mの釜臥山[1]。外輪山は釜臥山、大尽山、小尽山、北国山、屏風山[1]、剣の山、地蔵山、鶏頭山の八峰。「恐山」という名称の単独峰はない。”
(Wikipedia「恐山」参照)
うむ。恐山という山はないらしい。
なので“霊場恐山”と呼ぶことにする。
霊場恐山はカルデラ湖である宇曽利山湖に面している。
なので峠道の後半から一気に下る。
しかもけっこうキツい。
ブブブ、ブレーーーーキっ!!!!
下り終わった所で硫黄の匂いが立ち込めていた。

めちゃくちゃ臭いです。
ガッツリ峠道だったのに視界が急に開けた。
そして少し進んだ先にあったのがこちら。

三途の川…
死への入り口か…ちょっと死んでくる()

三途の川って…綺麗なんやなぁ…
さて。三途の川を渡ってしばらくして霊場恐山の駐車場に着く。そこに自転車乗りとしては嬉しすぎるサービスが。

いやー!助かる助かる!
ロードバイクで来る人もそんな多くないだろうにわざわざ設置していただけるなんて!

さっそく雰囲気が異世界だ。

“恐山は、地蔵信仰を背景にした死者への供養の場として知られ、古くから崇敬を集めてきた[要出典]下北地方では「人は死ねば(魂は)お山(恐山)さ行ぐ」と言い伝えられている[要出典]。山中の奇観を仏僧が死後の世界に擬したことにより参拝者が多くなり信仰の場として知られるようになった[4]。”
(wikipedia「霊場としての恐山」)
死後の世界…。
なるほどと思うだけの景色が一面に広がる。

石が積み重ねられた小さな山が至る所にある。
その数…いや数えられないほどだ。
本当にデジタル化が進んだこの世とはかけ離れた景色…まるで死後の世界だ。
むき出しの荒々しい岩肌や、至る所で立ち込める蒸気。そしてこの数えきれないほどの石積…
そんな世界を進むと、宇曽利山湖が見えてくる。

チラっと見えてきた。

白い湖畔に澄み渡る湖…さっきまでの景色とのギャップが凄い。
なるほど、噂に聞く通り“極楽と地獄が入り混じる世界”だ。
あまりの景色に見惚れてしまい、思いのほか長居してしまった。霊場恐山、想像以上の異世界だ…。寄って良かったぞい!
さて、あとは海岸線を脇野沢まで行くだけだ。

快走快走〜!
道は整備されているし交通量もほとんどない。
下りをいかにして気持ちよく走れるかって実は大事だったりする。ここでは言えないスピードで一気にむつ市内まで降りたった。
むつ市のグルメって何だろうと調べていると、どうやらこの近くには海上自衛隊の駐屯地があるそうで、それにちなんだグルメがチラホラあるらしい(´^ω^`)
いろいろ調べて行き着いた先がこちら。

駅前食堂!
もうね、ネーミングが好みなんだな。
店内は思った通りのザ・食堂な雰囲気。綺麗なお店で美味しいものを頂くのもいいが、こういったツーリング中は地元民御用達のお店に積極的に足を運んで行きたい。
席に案内されて、メニューを凝視。
ウンウン。定番の定食から海上自衛隊にちなんだメニューもある。迷っちゃうな〜〜〜〜〜〜
隣の人の唐揚げ定食もめちゃくちゃ美味そうだし、むこうの人のラーメンも美味しそう…
注文を決める時間も楽しみの1つ( ^ω^ )
そして頼んだものがこちら。

下北半島文化伝承料理「みそ貝焼き」。
解説はコチラ↓

【定期】読めない。

煮汁が温まったところで溶き卵を注ぎ、フツフツするまで待機。

う〜〜〜〜〜!!!!キタキタキタキタ✌(‘ω’≡’ω’)✌
いっただきまーす!
うむ。当たりだ。大当たりだ。
味噌風味の煮汁と卵がホタテに絡んで素材の良さを引き立てる感じ。
ペロリと完食。ご馳走様でした。

お店を出て道に沿って進む。その道中、海上自衛隊の駐屯地の近くを通ったのでそのまま進路を変えて基地へ向かった。

海沿いに来てすぐお目にかかるとは!
すごく…大きいです…

記念に一枚。
うむ、CAAD10ちゃんもイージス艦に負けないくらいカッコいいじゃない!
時間は十分余裕があるが、いつまでも基地の前でウロウロしているのも気が引けたので再度進路を戻す。
さて、ツーリングの計画段階で懸念していた最後のコンビニが現れた。

位置的にはこんなところ。

マジで、この先、食料補給ポイントがない。
大間まで行かないとコンビニないんじゃないか?
えーと、100km以上離れてるぞ。()
この日の夕飯と、翌日の朝の分。それから詰められるだけ補給食も購入した。

そして海沿いにキタ!٩( ‘ω’ )و

ああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜なにこれ最高じゃないですか!

他撮り風自撮りマン。
いい。凄くいい。まだまだ夏いね!
この辺りは“○○海岸”というのがいくつもある。
つまり、海のすぐ隣を走るシーンが何度も登場するということ。
気持ちいいったらありゃしない!

海沿いの道というのはワインディングだったりアップダウンもあったり海のすぐ隣の快走路だったりと、景色がぐるぐる変わる。

よくある道だと、海のすぐ隣を走れるシーンなんてそう長くも続かないが、この辺り一帯は海沿い8割+交通量ほぼなし+追風というとプレミアム。
だからもう気持ち良さしかない☺️☺️☺️

鯛島。荒々しさがなんとも言えない。

さて、ちょうど地理的に太陽が山に隠れる位置にいるため、暗くなるのが若干早い。
とはいえ交通量のない快走路を追風で爆進できたため、時間にはかなり余裕がある。うーんこのままどんどん進んじゃおうかな〜?
と、悩んでいるうちに、道の駅「わきのさわ」のある山間部への入り口が見えてきた。

もうね、この時点で若干焦っております。
なんもねえ。マジで。
田んぼしかない。ちょいちょい家がある。
でも他に何もない。まじかーコンビニでちゃんと食料買っておいてよかったー(´^ω^`)
うん。この先進んだらたぶんヤバい。いや絶対ヤバい。
そーゆーわけで道の駅まででこの日はストップ。

着弾!道の駅「わきのさわ」。
こじんまりしてていい所じゃない!

えーっと、猿と猪が出るってことでOK。
どうやら野生の猿として脇野沢は北限の地らしい。
やだなー、夜。なにも出ないといいけど。
営業時間のうちに着いたので、食堂がやっていないか中に入ったが、さすがにこんな場所にある道の駅だもの。当然食堂はやっておらず。
休憩室の座敷にどかっと座り込み、しばし休憩。
その間、電子機器類のバッテリーを充電!

Twitterで炎上するやーつ。(許可あり)
最近は本当にコンセントを貸してくれる施設が少ない。こういった素晴らしい所ではしっかりとお金を落としていくのが旅人としての心がけである。

イカ飯を購入!✌︎(‘ω’)✌︎

疲れた体にカロリーが染み渡る…。
さて、1時間ほどバッテリーの充電をしたところで営業終了。
改めてゆっくりと外を眺めると、本当にこの辺りには何もない。
これ以上進んでいたらと思うと…。
もうこの日はココを拠点とするしかないので、完全に人がいなくなるまでしばらく時間がある。その間にお風呂に入りたいのだが、こんな何もない所にあるわけ…
ノンノン。
実はあるんですよ、お風呂。しかも目の前に。
ツーリング計画を立てる上で、2日目の宿泊先にはかなり悩んだ。なにせこの辺りは全くといっていいほど栄えてないんですもの。
ただ、こんな地を拠点とした理由として、
①道の駅がある
②その目の前で風呂場がある
③さらに当日・翌日の距離感が最適
という最高のロケーションだったからこそ。
ありがとう、ツーリングマップル。大いに活用させてもらった。
そんな風呂場がこちら。

休館日…。
泣いた。さすがに泣いた。
道の駅の人に聞いたところ、1番近い所でも10km以上離れているとのこと。往復20km以上、しかもこの街灯すらない所を…。これは汗拭きシートでやり過ごすしかないな。
おまけに18時を過ぎた辺りで一気に暗くなった。

18時半でこれ。まじかー。街灯なんてほんとココくらいしかないし。
暗闇の中、誰もいなくなった道の駅でテント設営。

くっっっっっっっっっっっっっら。

とりあえず買っておいたおにぎりをmgmg
食べ終わって歯も磨いて汗拭きシートで全身ふきふき。
……。
やることが何もない。
山の方から爆竹が聞こえた。
聞いたこともない鳴き声も聞こえる。
車なんて一台も通らない。
自分以外、誰もいない。(動物を除く)
フ、フフフフ…。
んんんんんめっちゃこぇええええ!!!
何もないことを祈り、20時、就寝。
下北半島ツーリング2日目
(横浜町-脇野沢)
走行距離101.55km
総距離180.77km