知らない天井だ。
天井がある朝を迎えただと…?()
テント泊をしていると幸せの閾値が下がって壁があったり天井があったりするだけで幸福感に満たされる。
むくりと起き上がり、わりと急な階段をゆっくりと降りる。
朝から優雅な食事を頂くなど。
民宿の朝食はなんだか温かい気持ちになる。
なにせこの日差し。女子だからツーリング中でも日焼け止めは必須なのです。
民宿のママからポンカンも頂いた所で、別れを告げる。
少ししか過ごしていないのに別れる時はいつも寂しくなるよね。また来よう。
そして8時半頃、伊豆半島一周ツーリング2日目スタート!
夜は風が強かったけど、朝には風が止んでいてもはや無風状態。あれ?たしか海風がキツいって聞いていたんだが…?
波と風の影響なのだろうか、それとも火山活動の賜物なのか。
ここ伊豆半島は海底火山がフィリピン海プレートの移動とともに海から頭を出し、本州とぶつかって現在に至ったらしい。
そんな伊豆半島の最南端が『石廊崎(いろうざき)』だ。
少ししたところに駐車場があり、そこから徒歩15分程度で灯台まで行ける。
例によって下調べしておらず、そもそも石廊崎が最南端だとも思わずに観光してしまった()。
かなり勾配のキツい道を進むと、灯台が見えてきた。
灯台というと、海面のすぐ近くにありそうなイメージがあるが、そういう先入観に何度騙されてきたことか’`,、(‘∀`) ‘`,、
崖の上にあるもののもある。そしてここは崖の上パターンだ。
周りが木々に覆われていて気づかなかったが、そこには圧倒的な景色が広がっていた。
軽く見てササっと戻ろうと思っていたのに思わず長居してしまった。朝一だからか、観光客もゼロ。この景色を独り占めしている
…!なんて贅沢だ。
…!なんて贅沢だ。
ここ南伊豆は海の青さが他とは違う。吸い込まれそうな透明度だ。
しばらくすると観光客が集まりだしたので撤収←
いやぁ軽い気持ちで寄ってみたが、来て良かった。
“あいあい岬”だ。
明らかにカップルが記念撮影しそうな場所だ。
前に進むには景色が邪魔をする。
だがそれでいい。立ち寄るポイントは決めてないからこそ、その時の“いいな”を大事にしたい。
車も通らないし路面も悪くない。
南伊豆最高すぎやしないか!?
とはいえここら一帯の勾配のキツさは住むにはちょっと厳しいと思うぞ?
朝からウォーミングアップなしにガンガン峠攻めが続く。
峠を越えるとかそういうのじゃなくて、登っては下るの連続。
桜の開花ももう少しだったな。
松崎町に入るとようやく町らしい景色が広がった。そして前日の南伊豆日野店のコンビニから40kmぶりにコンビニを見た。北海道も数十キロ単位でしかコンビニがないが、あそこは平地だったからなぁ…伊豆の場合は起伏の連続で数十キロ単位だから疲労感が全然違う。
次のコンビニがどこにあるかも分からないので補給はしっかりめに!
そんなコンビニの隣にあるのが、
少し街中を進むとさっそく峠道に突入。
えっ、もう?
ウォーミングアップは完了。第2ステージの西伊豆だ。ここから先は勾配もキツく…ヒィィ。゚(゚^Д^゚)゚。
まだ全体の1/3ほどしか進んでないのにすでに昼過ぎ。
これはひょっとしたらひょっとするとかも。゚(゚^Д^゚)゚。
贅沢ながら絶景にも見慣れ始めていた()
たんたんと峠道を進むと、再び観光スポットを発見。
『恋人岬』だ。これは立ち寄らざるを得ない。独り身はこういう恋人スポットに弱い。
入館料を受付のおばさん(達磨みたいな格好してた…)に払い本堂に入ってみると、
丸くない…てかヒト?ヒトなの?
デカすぎて達磨の後に本堂を作ったとかなんだとか。
由来は現地で確認してみて下さい(聞いてなかった)。
富士山の見える海沿いを猛進。
ずーっと富士山を見ながら走るのかと思っていたけど案外見れない。
松崎以来(20kmぶり)の大きめな町、土肥(とい)町に着いた。ここには耳慣れない「海上県道223号線」がある。
なんでも、土肥と清水を結ぶフェリーにあるちゃんとした県道だ。
2(ふ)2(じ)3(さん)ですって!
寄ってみたい気持ちもあるが、帰れなくなってしまう。゚(゚^Д^゚)゚。
時刻は15時を迎えたところ。もう伊豆半島も終盤線だ。あとはいかに帰りにゆったりできるかがここからのペースで決まる。
行くしか!!!
山にある白い花と葉を同時に開く桜の名前is何。
富士山バックに収めてやるぜ(´^ω^`)
(大島桜らしいです)
きつめの峠を越えて戸田(へだ)まで来た。西伊豆の地名は割と読みづらい。フリガナ振ってけや( ꒪ д꒪ ⊂︎彡☆︎))Д´)
もうここまで来てしまえば地図的にラストの起伏地帯!
日も傾いて来た。さぁ気張っていこう!
少し先にあるのが『出逢い岬』だ。
だからそういう恋愛ワードに独り身は弱……
こんなにもマジマジと富士山を眺めるのは初めてだ。
いつも静岡・山梨に走りにいっても富士山なんて見えなかったしもはやその存在事態を疑っていた。
そしてついに最後の峠を越えた!!!!
(わたくし怒りの40km/h巡行)
いやぁ疲れた疲れた’`,、(‘∀`) ‘`,、
時刻はちょうど19時。東京行きの新幹線には19時半の電車に乗ればいい。
温泉とかグルメとかいろいろ考えたけど翌日の仕事を考えると早く家に着いていたい、てことでサクッと輪行して到着後30分で帰路へ。
この切り替えのあっさり感がいつもなんだか勿体無く思うけど、それもまた旅の醍醐味。物足りないくらいが次のツーリングには必要なんだ…。
たった2日間とは思えないほど濃密なツーリングだった。
伊豆半島一周ツーリング、通称“伊豆イチ”。初めての土地。
海岸線の岩岩、海の蒼さと吸い込まれそうな透明感。地球の自転と、同時に地球の活動のほんのほんの一部だが感じることができた。
あの大自然を自分の脚で走り周ったからこそ感じる事ができる。私の冒険心はおおいに満たされたライドだった。
それでもまだまだ回りきれていない所もあるし、日本全国にもそういった場所が他にもあるだろう。
場所だけじゃなく、四季折々の景観が広がっていることを考えると“日本は狭くて広い”。
そんな思いを胸に、私は眠りについた。
(そして翌日は始発で出社)
おわり。
2日目(南伊豆-沼津)
走行距離:122.23km
獲得標高2,280m
伊豆半島一周
走行距離:215.91km
獲得標高:3,657m